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椎名林檎「自由へ道連れ」の歌詞考察と、私立恵比寿中学が歌う意味について


目次
イントロダクション
「自由へ道連れ」というタイトル
歌詞のテーマと登場人物
「世界のまん中」の意味
対になる言葉の使用
「自由」の意味
エビ中がこの曲を歌う意味

イントロダクション

 2018年5月23日に、椎名林檎さんのトリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』がリリースされました。

 このアルバムには、エビ中こと私立恵比寿中学がカバーする「自由へ道連れ」も収録されています。作詞作曲を手がけるのは、もちろん椎名林檎さん。

 僕はエビ中目当てで、このアルバムを手に取ったクチですが、エビ中を知らない方からも「自由へ道連れ」の評判が良いようで、嬉しい。本当に自分のことのように嬉しい!

 皆さんの熱いご意見、ご感想を拝見していたら、自分もなにか書きたい! この楽曲の良さを伝えたい…!という気持ちになってしまったので、この曲の歌詞の考察と、「永遠に中学生」をコンセプトに活動する私立恵比寿中学というアイドル・グループが、この曲を歌う意味について、書いてみたいと思います。

 最初にお断りしておきますが、僕はエビ中のファン(通称:エビ中ファミリー)であり、椎名林檎さんについてはシングル曲を中心に代表曲は知っている、という程度の知識しか持ち合わせていない人間です。

 ですので、椎名林檎さんのファンの方からしたら、的はずれな部分もあるかもしれませんが、ご容赦いただけますと幸いです。

 前フリが長くなりましたが、では順番に歌詞を読みといていきましょう。

「自由へ道連れ」というタイトル

 椎名林檎さんの書く歌詞には、リスナーの耳をつかむ、ハッとするような言葉が使われることが珍しくありませんが、「自由へ道連れ」というこの曲のタイトルにも、良い意味での違和感を覚えました。

 「道連れ」という言葉は、文字どおりには「連れ立って行くこと」「連れ立って行く同行者」程度の意味です。しかし、少なからず無理やりに連れて行く、というニュアンスもあり、『大辞林 第三版』には「むりに一緒の行動をとらせること」という意味も記載されています。

 また、道連れと言うからには、目的地は場所であるはずです。例えば、イギリスのロック・バンド、クイーンの『Another One Bites The Dust』という曲には、『地獄へ道づれ』という邦題がついていました。(「bite the dust」あるいは「kiss the dust」には、「倒れる、戦死する、敗北する」といった意味があるため)

 さて、そんなわけで「自由へ道連れ」というこの曲のタイトル。本来は場所が入るべきところに「自由」という言葉が入り、「自由」という一般的には良い意味で用いられるはずの言葉が、むりやりに連れて行かれるというネガティヴな印象を帯びた「道連れ」という言葉と共に使用されています。

 2段階で、ちょっとずつ言葉の使い方にズレがあり、そのズレがリスナーの想像力を掻き立てる構造になっている、少なくとも僕はタイトルを見た時点で、この楽曲のイマジナティヴな世界観を感じました。

 この曲のなかで「自由」とは何を意味するのか。誰が誰を「道連れ」にするのか。誰もが自由になりたいはずなのに、無理やりに連れて行くニュアンスを持つ「道連れ」という、ちょっとクセのある言葉をなぜわざわざ使ったのか…。

 また、「道連れ」という言葉を使うことで、歌詞に出てくるのが道連れにする人とされる人、少なくとも2人であることが示唆されます。

歌詞のテーマと登場人物

 では、ここから具体的に、歌詞の内容を検討していきましょう。

 まず歌詞に出てくる人物ですが、歌詞を読んでいくと、語り手と「君」の2人であることが分かります。語り手の視点から、語り手自身と「君」について語られていきます。

 次に、この歌詞は何をテーマに歌っているのか。まず歌い出しの部分では以下のように歌われます。

超弩級(ちょうどきゅう)のミサイル
逸る命
この現し身は驀地(まっしぐら)

 1行目から、リスナーの注意を引く言葉、および仮名遣いが多用されています。「超弩級(ちょうどきゅう)のミサイル」と「逸(はや)る命」は、おそらく同じことの言い換えであり、あっという間に過ぎ去ってしまう人生のスピード感を、それぞれ表しているんじゃないかと思います。

 つまり、自分の命および人生を「ミサイル」に例え、さらに「逸る命」、3行目の「驀地(まっしぐら)」と、強調を重ねています。

 また、3行目には「現し身(うつしみ)」という言葉が出てきますが、この語は「現世に生をうけている姿」という意味があります。「現し身」という言葉を使うことで、現在の姿は一時的なものであり、やがて宇宙や永遠に返っていくという、仏教的な死生観を連想させます。

 この歌い出し部分の歌詞から、この曲は命の短さや真理、もっと具体的には生と死について歌っているのではないか、とひとまず仮定できるのではないでしょうか。

 この仮定に基づいて、2連目の歌詞の前半3行を見てみましょう。

最高級(トップバリュー)のドライブ
君の命
そのDNAは驀地(まっしぐら)

 こちらの引用部も、歌い出しの歌詞と同じく、命の短さやスピードについて、歌っていると解釈できます。先ほどの引用部と違うところは、さっきは語り手が自分自身の命を語っていたのに対して、今回は語り手が「君」の命について、語っている点です。

「世界のまん中」の意味

 歌詞のテーマが「命」あるいは「生と死」であると仮定して、さらに歌詞の内容に深く、踏み込んでいきたいと思います。

 歌詞には「世界のまん中」という表現が、合計4回出てきます。この「世界のまん中」という言葉は、なにを意味しているのでしょうか。

 「世界のまん中」という言葉が最初に使われるのは、先ほど引用した歌い出し部分に続く部分。冒頭から4行目です。

世界のまん中が視(み)たい

 この引用部の前の3行では、前述したとおり命のスピード感について歌われています。自らの命を「超弩級(ちょうどきゅう)のミサイル」に例え、生まれてから「世界のまん中」を目指して疾走していく。そう解釈すると「世界のまん中」とは、命の終わりを指しているようにも思えます。

 しかし、この引用部の前では「現し身」という言葉が使われていることから、文字通りの生と死を歌っているのではなく、精神的・概念的なことを歌っているのではないかと思います。

 少しスピリチュアルな話になってしまいますが、「人生の意味」や「世界の真理」のような人生を通して追い求めるべきものを「世界のまん中」と表現し、それに向かっていく人生の疾走感を表したのではないか、というのが僕の考えです。

対になる言葉の使用

 もうひとつ歌詞の中で、目につくのは一対の組み合わせになる言葉の多用です。

 「混沌(カオス)と秩序(コスモス)」「破壊と建設」「子供にも大人にも」「気分と合理」などなど、対義となる言葉の組み合わせが、随所に散りばめられています。

 この中で、1連目の歌詞に出てくる「混沌(カオス)と秩序(コスモス)」は、次のような文脈で出てきます。

世界のまん中が視(み)たい
Take me there, won’t you?
混沌(カオス)と秩序(コスモス)の間で待っているよ

 先ほど引用した「世界のまん中が視(み)たい」に続く部分です。

 「Take me there, won’t you?」は、「そこに連れて行って、くれるよね?」という意味で、語り手が「君」に話しかけている内容ということでしょう。

 さらに「混沌(カオス)と秩序(コスモス)の間で待っているよ」と続きます。この「混沌(カオス)と秩序(コスモス)の間」というのも、今生きている人生を表しているのではないかと思います。

 全ての秩序は混沌に向かい、また全ての混沌は秩序に向かっている、ということは多くの理論で主張されます。僕は哲学や物理学の専門家ではありませんので、特定の理論について語ることはできませんが、秩序だった物事はやがて崩壊に向かい、カオスと思われる物事からも、やがて秩序が生まれていく、その混沌と秩序の間でしか、生命は存在できないということです。

 その後も「破壊と建設」「気分と合理」といった対となる言葉が出てきますが、これらも「混沌(カオス)と秩序(コスモス)」の例と同じく、二元論では割り切れない人生を、象徴的に表わしているのではないでしょうか。

「自由」の意味

 ここで「自由へ道連れ」という、この曲のタイトルに立ち返って、歌詞における「自由」の意味について検討したいと思います。

 1回目のサビの終わり、そして曲の最後のサビの終わりに、それぞれ「自由」という言葉が出てきます。まず、1回目のサビ部分を引用します。

待ち切れない
今ならば子供にも大人にもなれる
試されたい
近付いている
確かめてほら
自由へ秒読み

 この引用部の「子供にも大人にもなれる」という言葉は、先ほど言及した「混沌と秩序」に対応した関係になっているんじゃないかと思います。

 すなわち、子供らしく感情に任せた態度と、大人らしく論理や常識を重視する態度。そのふたつのどちらにも囚われず、自分の価値観を獲得することを「自由」と読んでいる、ということです。

 続いて、この曲の最後のサビ部分を引用します。

生きている証は執着そのものだろうけど
放たれたい
相反する二つを結べ
自由はここさ
本当の世界のまん中

 引用部の1行目に「生きている証は執着そのもの」とあります。これは、命への執着とも読み取れます。しかし、その後に続く歌詞から、常識や思いこみなどに執着してしまう態度とも、読み取れます。

 引用部3行目には「相反する二つを結べ」とありますが、これは先ほど検討した「混沌と秩序」「子供と大人」「気分と合理」といった対になる言葉を、対立するものと単純に受け取らず、両方とも自分なりに取り込め、ということではないでしょうか。

 そして、曲のラストは「自由はここさ 本当の世界のまん中」と締められます。これは、執着から放たれ、相反する二つを結ぶことで、「自由」と「世界のまん中」に達したということを表わしているのではないかと思います。(同時に、相反する二つを結ぶことは現実には不可能であり、命の終わりを意味している、という解釈も可能かと思います。)

 もちろん、言葉で説明できるほど単純なことを歌っているとは思いませんが、多層性のあるイマジナティヴな世界観を、疾走感あふれる言葉と楽曲で描き出す、素晴らしい楽曲であることは確かです。

エビ中がこの曲を歌う意味

 最後に、この「自由へ道連れ」を、エビ中が歌う意味について、個人的に思うことを書かせていただきます。

 前述したとおり、エビ中こと私立恵比寿中学は「永遠に中学生」をコンセプトに活動する、アイドル・グループです。しかし、すでにメンバーには実際の中学生はいません。

 年齢的には中学生を越えているメンバーたちが、「中学生」というコンセプトを実行する二重性。また、今回エビ中を知らない方からの「アイドルなのに歌唱力がすごい!」という感想を拝見しますが、アイドルであるのに、歌唱力で勝負できるレベルの歌唱力を備えているところ。

 このように「大人」と「中学生」の間、「アイドル」と「歌手」の間を、楽しそうに越境するエビ中が「自由へ道連れ」を歌うことで、椎名林檎さんが歌うオリジナルとは異質の、アイドルならではの二重性が生まれているのではないかと思います。

 その最も象徴的なパートは、再生時間でいうと2:43あたりの「道連れしちゃうぞ」というセリフでしょう。アイドルらしからぬ歌唱力と表現力を発揮しながら、間奏後のキメとなる部分に、アイドル然としたアレンジをさらっと入れるバランスが、本当に秀逸。

 また、一般的には持続するのが難しい、女性アイドルという存在の刹那感が、原曲が持つ命と人生の疾走感とマッチしつつ、違った魅力を与えていると思います。アイドルならではの疾走感と言ったらいいでしょうか。

 サウンド・プロダクションの面でも、エッジの立ったソリッドなオリジナル版に対して、アコースティック・ギターを用いて全体のサウンドを若干ソフトに仕上げたところも、疾走感を失わず、キャラクターの違う6人の声の魅力を、際立たせていますね。

 エビ中のオフィシャルYouTubeチャンネルに、「自由へ道連れ」をライブでカバーした映像がアップされています。こちらも素晴らしいので、ぜひご覧になってみてください。

 ここからは、エビ中のファンとして、こちらのライブ映像に沿って、メンバーを簡単にご紹介します。

 歌い出しのパートを担当する、安定感のある歌声を披露しているショートカットの子は、トマト大好きリコピン少女、安本彩花さん。

 安本さんからバトンを受けて「世界のまん中が視たい」からのパートを担当する、ファルセットを自在に操るポニーテールの子は、エビ中のハイテンションガール、真山りかさん。

 「最高級(トップバリュー)のドライブ」からのパートを担当する、柔らかな優しい声を持っているのは、歌う稲穂、ダンシングライス、小林歌穂さん。

 「世界のまん中に触れて」からのパートを担当する、顔をくしゃくしゃにしてエモーショナルに歌うのは、さそり座の中学生、中山莉子さん。

 「待ち切れない」からのサビの前半を担当している、アメリカのポップスターのような華やかな雰囲気を持っているのは、エビ中の今どき革命ガール、星名美怜さん。

 「試されたい」からのサビの後半を担当し、圧倒的な歌唱力を披露しているのは、エビ中のいつも笑顔なおもちゃ箱、柏木ひなたさん。

 これを書きながら、ちょっと泣けてくるぐらいエビ中が好きなんですけど、このカバーがきっかけになって、もっと多くの人にエビ中が届くといいなぁ。

 本当に、地道に努力を重ねて、現在の歌唱力とパフォーマンス力を手にしたメンバーたちなので。

 




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2017年12月13日 真山りか生誕ソロライブ「まやまにあ」@マイナビBLITZ赤坂


真山りか生誕ソロライブ「まやまにあ」
2017年12月13日
マイナビBLITZ赤坂

 真山りかさんの生誕ソロライブに行ってきました。備忘録として、MCなどを中心に書き留めておきます。

 18:30過ぎに会場に着くと、真山さんがラジオ風に質問に答えていく動画が、すでにスクリーンに流れている。真山さんが1人で質問を読み、それに答えるという形式。

Q「写真集を出すとしたら、撮影場所はどこで、どんなコンセプトの作品にしたいですか?」
真山「マカオ。アジア圏がいいなぁ。そこの民族衣装を着たり、砂浜があるようなところだったら、トレーニングウェアを着て走ってるとか、健康的な写真集にしたいですね!」
Q「21歳の抱負は?」
真山「とにかく頑張る! たくさん、お仕事がしたい!」
Q「今ハマっている漫画の好きなシーンを朗読してほしいです。」
真山「最近は少女漫画ばっかり読んでるんですけど、特に好きな少女漫画が『椿町ロンリープラネット』っていう作品です。」(このあと真山さんがこの漫画のセリフの一部を朗読。)
Q「ミュ〜コミ+プラスで共演している吉田尚記さんはどんな人ですか?」
真山「お父さんみたい(笑) 話してる人と同じ目線で話してくださるので、とても話しやすいです。」
Q「最近、真山さんがこの人、私のこと大好きだなと思った人は?」
真山「柏木ひなたです(笑)」
Q「真山さんがご飯を食べているときの、もぐもぐしているほっぺが大好きです! それだけ伝えたかったです!」
真山「ありがとうございます! これ、メイクさんにも言われた!」
Q「同い年のあーりんは、真山さんにとってどんな存在ですか?」
真山「二十歳になってから、あーりんさんと2回ご飯を食べに行きまして、スタダのアイドルの中で唯一の同い年だから、今までは近くて遠い存在だったの。でも最近なかよくさせていただいて、話せるようになって、先輩なんですけど友達みたいな感じがします。」
Q「人生を変えたアニメは?」
真山「銀魂です!」
Q「最近言われて嬉しかったことは?」
真山「おしゃれになったね、が一番嬉しかったです(笑)」
Q「長年、出席番号が3番だから3が好きなんだろうなと思っていますが、本当に好きな数字はなんですか?」
真山「1番です! みんなの1番になりたいんだもん、真山。」

 質問に答え終わると、秋田弁のラジオ体操が流れ始め、その音に合わせてラジオ体操をする真山さん。ラジオ体操の映像が最後までは行かずに途切れ、場内に注意事項のアナウンスが流れる。この声を担当しているのも、真山さん自身。

 定刻の19:00になると客電が落ち、会場内は紫のペンライト1色。そして、いつものようにebitureのチャイム音が流れ始める。が、テンポがいつもより遅く、テープやレコードの回転数を落として再生させたようなサウンド。さらに、チャイム音のあとには、オリジナル音源とは違う打ち込みのビートが入っていて、EDM的なサウンドにリミックスされたバージョンのようだ。そんななか、真山さんがステージに登場。

 EDM的なebitureと真山さんの登場で、一気にテンションが上がり、ざわつく会場。そんな空気のなか、アカペラで「私立恵比寿中学の日常(Epilogue)」と「蛍の光(Demo)」を、それぞれ数フレーズずつ歌う。パーティー的な空気が、一転してシリアスな雰囲気に。そして、2曲目は「春の嵐」。会場は熱を帯びつつ、音楽への集中力が高まっているのが分かる。わずか数曲で、ライブを自分のペースに持っていき、完全にコントロールしている。その演出力も素晴らしいが、それを実行できるパフォーマンス力も凄い。

 3曲目は「シンガロン・シンガソン」。シリアスなロック・チューンといった趣の「春の嵐」からは、また雰囲気が変わって、会場はカラフルで楽しい雰囲気に。言うまでもなく真山さんが1人で歌って踊るので、サビや間奏の振り付けは大変そうだ。しかし、オーディエンスがメンバーの不足を補うように振りコピをするので、場の一体感はより高まっていった。真山さんのペースに、オーディエンスも馴染んできて、一緒にライブを作り上げている感覚が、ひしひしと感じられる。こういう空気の変化まで思い描いてセットリストを考えているのだとしたら、真山さんは本当に凄い!

 「シンガロン・シンガソン」後にはMC。
 「最初のパリピノリ、びっくりしたっしょ? これね、パリピにアレンジしたいって言ったら、さつき が てんこもり氏がミックスしてくれて、今回はさつき が てんこもりMIXのebitureというかmayatureを、お届けしました。みんなノレるのかなぁと思ったけど、意外とノレなかったね(笑) ライブハウスだからやってみようかなと思ったけど、やっぱりさ、私たち日陰のものだから慣れないんだよ! 今日も学校とか仕事終わってから、社会つまんねぇなぁと思って、真山に早く会いてぇなぁと思って、皆さん来てくれたんでしょ? 同じように真山も、お仕事すごい楽しいんだけど、時々どうしても気分が沈んでしまうことってあるんですよ。ありますよね? 私、音楽がすっごい好きなのね! だから、音楽にすごく力をもらうんですよ。次の曲はカバーをさせてもらうんですけど、私がこの夏、すーごい、すーごい、すーごい勇気をもらった曲を歌いたいと思います。」

 上記のMCに続いて4曲目に披露されたのは、LiSAさんのカバーで「だってアタシのヒーロー。」。この曲を初めて聴くオーディエンスもそれなりにいたと思うが、真山さんが勇気をもらった曲と紹介してくれたので、真山さんの歌を通して、自然と楽曲のメッセージが会場内に広がっていくようだった。5曲目は「君のままで」。4曲目から続いて、メッセージ性の強い楽曲が並ぶ。2曲ともBPMの近いロックなアレンジの曲なので、オーディエンスのノリも良い。「君のままで」は、力を抜いたように高音を伸びやかに出す安本さんの歌唱も素晴らしいが、真山さんの絞り出すようなロック・テイストの歌唱法もまた良かった。

 「君のままで」後のMC。
 「今年一年、曲に支えられて生きてきたなぁって、すごい感じていて、だから歌いたかったんです「だってアタシのヒーロー。」。この曲は『僕のヒーローアカデミア』っていうアニメのエンディングテーマになってるんだけど、珍しくアニメを観て好きになった曲じゃなくて、たまたまラジオで流れてきて、ああ、いい曲だなぁって好きになった曲です。みんなアニソン、カバーしろみたいな空気を出してくるからさぁ(笑)、一応アニソンだしと思って、歌わせていただきました。」
 「今日は見知った顔が多くて、そりゃそうなんですよ「まやまにあ」ですからね。でも私、思うんですよね、真山推しじゃない人も多いよな…だから、次の曲は自分の心に素直になって、そろそろ紫に染まんなくてもいいんじゃないの? みんな自分のカラーを持ってるんでしょ? それを小豆のように選別していきたいと思います! みんな、ペンライト好きな色にしろよ!」

 上記のような真山さんの煽りから、6曲目は「サドンデス」。真山さんの煽り通り、一部の人はペンライトを紫以外の色にしている。曲が始まると、もちろん真山さんが1人で歌唱していくのだが、元々のパート担当のメンバーに似せようとしているのか、次々と声色を変えて歌っていく。こんなところからも、真山さんのボーカリストとしての引き出しが、確実に増えているのが垣間見える。

 サビ前には「この曲のサビに関しては私がビーナスだぁー!と言いながら、皆さん他の色ついてますよね。よーし、わかった! じゃあ今日は君と私で勝負だぁー!」と真山さんが絶叫し、ダンス・サドンデスへ。「いつも最初に負けちゃう彩ちゃん、可愛いよー! 安本推しアウト!」「ぁーぃぁぃ、ぁぃぁぃぁぃぁぃ! 廣田推しアウト!」など、次々と各メンバー推しがアウトになっていく。そのなかには「りななんもりったん! 松野推しアウト!」と、松野さんも含まれている。また、アウトになる時は照明もそのメンバーカラーになり、スクリーンには各メンバーのグッズを身につけた真山さんが映るのだが、髪型も各メンバーを意識したものになっていた。

 最終的に真山さんも倒れ「そうだ、忘れていた。私はいつも目の前にいる人たちに愛されている。それを誰推しだなんだ、細かいことにばかり気を取られているなんて、なんてバカだったんだ。いつだって私のためにかけつけてくれる。大きな愛を伝えてくれる。そんなみんなに伝えたい言葉は…みんな大好きー!」と叫び、曲はクライマックスへ。

 その後は、7曲目「Shen-Shen Passion Night」、8曲目「PURPLE LOVE」と続く。「PURPLE LOVE」の間奏部分では、くまのぬいぐるみを次々と客席に投げ入れていく。「PURPLE LOVE」が終わると、照明が消え、スクリーンに「まやまさんぽ 長崎編」が流れ始める。この映像は、一人称視点で撮影されていて、オーディエンスが真山さんと長崎を散歩している気分になれるものだった。

 「まやまさんぽ」が終わると、衣装替えを終えた真山さんが再びステージへ。9曲目は「39クラブ」。この曲はテレビドラマ『下北沢ダイハード』で、夏帆さん演じるジャニスが歌った曲で、その歌声を真山さんが担当していた。スクリーンにも、ドラマの映像が映し出されていた。

 10曲目は「老醜ブレイカー」。9曲目に続き、それぞれオールド・ロックとジャズのテイストを含んだ、大人っぽい曲。11曲目「イー・アル・サディスティック」は、『ミッドナイトキョンシー』 の主題歌であるということもあり、EDM的なサウンドを持ちつつ、異国情緒を感じる曲。このブロックは、大人な雰囲気の曲を集めたということだろうか。そして、12曲目は「Thanks! Merry Christmas K」。最初は意外な並びのブロックかと思ったが、「大人」や「夜」を感じさせる曲を続け、クリスマスの楽しい雰囲気に繋げてくる流れはとても自然で、見事な空気の作り方だ。

 「Thanks! Merry Christmas K」後のMC。
 「今日、埼玉でももクリやってんのよね。だから、私の推しメンの紫の方から「返信いいから、ライブ頑張ってね!」みたいなLINEが届きまして、こっちの紫も頑張ります~って返しました。」
 「(床に置いてあるドリンクを飲んだ後に) そうそう、2種類あって、スポーツドリンクと水! これをみんなは後でレポするんだよね?」
 「今年は数々の別れがありまして、これから控えてる別れもあるじゃないですか? 昔の私だったら、お別れすることが寂しすぎて、寂しさが怒りに変わっちゃうタイプだったんですよね。でも、さよならが言えることって、とっても幸せなんだなと、今年すごく感じて、だからこの曲が今年の私の課題だったというか、なんというか。上手にばいばい言えたなぁって、言えてないこともあったんですけど、言えたなぁっていう1年だったと思います。もう皆さん、なんの曲やるかわかってますよね?笑」

 13曲目は「さよならばいばいまたあした」。真山さんのMCで、会場はあたたかく、優しい雰囲気に。曲自体のテンポがゆったりしているということもあるが、オーディエンスも歌と言葉をじっくり聴こうというテンションになっている。真山さんも、心をこめて、大切に歌い上げていく。

 本編ラストの14曲目は「Liar Mask」。ライブで久しぶりに聴くことができたが、曲中に3拍子と4拍子が切り替わるなど、1曲のなかで様々な表情を見せる楽曲だ。この曲が発売された当時よりも、真山さんの歌唱力と表現力が向上しているのが、はっきりとわかるパフォーマンスだった。

 アンコールでは「蜃気楼」と「ポップコーントーン」の2曲を披露。「ポップコーントーン」を歌い終えると、「ひぇ~~。ひぇ~~。終わってしまった。いやぁ、ほんとにほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだ~じゃなくて(笑)、ほんとぉーに、ほんとぉーに、こんな平日のど真ん中にかけつけてくれて、ジェットコースターのようなライブを一緒に盛り上がってくださって、ほーーんとーーに、(マイクを使わず)ありがとうございます!」と挨拶。さらに、感謝の言葉、1月の武道館公演などについて語る。真山さんが話している間、BGMとして「シンガロン・シンガソン」が流れていたのだが、話が終わるタイミングでちょうど曲も最後の部分に。そのため、真山さんはその部分の振り付けをして、最後の決めポーズをしてから退場。こういう機転がきくところも、真山さんの魅力だ。

 真山さんが退場すると、開演前に流れていた秋田弁のラジオ体操の続きが、スクリーンに流れ始める。ラジオ体操が終わり、今日のライブは終了。開演前から、終演まで、真山さん自身の言葉を借りると「ジェットコースターのような」、それでいてきれいに流れがつながった素晴らしいライブだった。

 僕は何回か涙が溢れてきてしょうがないときがあったのですが、1回は「サドンデス」にちゃんと松野さんも入っていたところ、もう1回は「さよならばいばいまたあした」の前のMCです。あと何回か、真山さんのひたむきさと誠実さに、なぜだか涙が溢れてくることがありました。「ひたむきさで世界を変えるのが僕の夢」とはよく言ったもので、真山さんの人柄とパフォーマンスに、とにかく感動した、本当に素晴らしいライブ。


真山りか生誕ソロライブ「まやまにあ」
2017年12月13日
マイナビBLITZ赤坂

01. 私立恵比寿中学の日常(Epilogue):蛍の光(Demo)
02. 春の嵐
03. シンガロン・シンガソン
04. だってアタシのヒーロー。(LiSAカバー)
05. 君のままで
06. サドンデス
07. Shen-Shen Passion Night
08. PURPLE LOVE
09. 39クラブ
10. 老醜ブレイカー
11. イー・アル・サディスティック
12. Thanks! Merry Christmas K
13. さよならばいばいまたあした
14. Liar Mask
アンコール
EN1. 蜃気楼
EN2. ポップコーントーン





2017年11月18日 私立恵比寿中学トークショー第7部 真山りか&廣田あいか@日本工学院専門学校


2017年11月18日(土)
私立恵比寿中学
11th Single『シンガロン・シンガソン』発売記念トークショー
第7部 真山りか・廣田あいか
日本工学院専門学校

 シンガロン・シンガソンの発売記念トークショー東京会場の第7部、真山さん・廣田さんの回のレポです。かぎかっこ内は本人の発言、それ以外は状況説明と、話の要旨をまとめたものです。言葉使いや話の順番など、実際とは異なる部分もあろうかと思いますが、僕個人の記憶に頼っているものですので、何卒ご了承ください。

新・青春そのもの
 開場後、ステージ上のスクリーンには「真山りか&廣田あいか トークショー」と表示されている。定刻の18:00になり、真山さんと廣田さんがステージへ。BGMは『新・青春そのもの』。

廣田「みなさんね、私たちの名前はここに書いてあるとおり…」
と言いながら後ろを振り向くが、さっきまで表示されていたスクリーンが消えているので、場内爆笑。このあと「真山りか&廣田あいか トークショー」と再び表示される。
廣田「私たちの名前は分かると思うんで、自己紹介してると20分がムダになっちゃうと思うんで、省略しましょ。で、今流れてる曲は、みなさん知ってるか知らないかわからないんですけど、新・青春そのものです。私が転校するまでに、どうにか一緒に踊りたいって真山が言ってるんですけど、やるチャンスがなさそう。」
会場からは「えーーーー!」の声。
廣田「えーーじゃないでしょ! 普通にみんなそう思ってるでしょ!」
真山「1月4日以降、カラオケ行って歌お!」

トーク・テーマ
廣田「トークの内容を決めてなくて。」
真山「1部は安本さんと小林さんが、お題を書いた紙を各自で用紙してたんだよね。それを、まだ残ってたからスタッフさんに持ってきてもうおうと思って。」
廣田「じゃあ、呼ぼうスタッフさん。」
真山・廣田「スタッフさーーん!」
「はーーい!」という返事と共に、会場後方から、安本さんが走ってきて、2人に1部で使ったお題を書いた紙を渡す。ここから、お題を書いた紙をひとつずつ引いて、そのお題についてトークをしていく。

自分が思う女子力の定義
真山「よく巷で言う女子力ってさ、料理ができる、いつでもネイルしてる、なんかフローラルな香りがする、洗濯ができるとかさ、家事! 家事じゃん!? それって女子がやってるから女子力って言ってるだけで、生活力じゃん! だから、誰が考えたの、この女子力?」
廣田「まず女子じゃないよね。女性力だよね。女子力ってものが、漠然としてるってことだね。みなさん、どう思いますか女子力って。男子は、女子力高い女子の方がいいの?」
客席からは、全く反応なし。
廣田「ああ、そうでもないか。だから、エビ中来てんだ!」
客席は爆笑。

 真山さんが、こないだラジオで吉田尚記さんに会ったときに、ものを取るときの仕草にも女性らしさがあらわれる、エビ中は女性って感じがしないね、と言われた話をする。
廣田「そういう仕草を気にせずできるっていうのが、女子力が高いっていうことなのかな、と私は思うけどね。もう私たちは根本的に、女子力の種が無いんだと思う。育てるものじゃないというか…」
真山「なるほどね。なーんにも無い、土なんだ私たち(笑)」

最近、発見したこと
真山「こないだ、田村ゆかりさんのライブチケット発券しました。」
客席から拍手。
廣田「あー! 発券ね。発行したってことね!」
真山「うまいだろー!」
廣田「先輩さすがっす。」
真山「なにかあります?」
廣田「いや~、なんだろう。あ、でもやっぱり、真山は”りーちゃん”って呼ぶと照れることですかね。」

憧れのデート・シチュエーション
真山「これに対しては、ぁぃぁぃ言いたいことあるんでしょ?」
廣田「デート・シチュエーションがどうだろうと、好きか嫌いかだと思うんだよね。なにげない学校でも、好きな人と一緒だったら素敵なものに見えるって、よくあるじゃん漫画とかで。でも、そういうのが無かったら、ただの学校じゃん。だから、シチュエーションにごまかされちゃダメだよって思う。シチュエーション詐欺は良くない! だから、真山さんと一緒に今トークショーやれて、真山さんとだから、素敵な時間ですよ!」
真山「ぁぃぁぃとだったら、どこでもなんでも話せると思う。」
ここで、ステージ上の2人に、あと10分という表示が出たとのこと。
廣田「あと10分! いつもは5分で出してもらってるらしいんですけど、うちら5分じゃまとめられないから、10分にしてもらいました。」

当たり目
廣田「当たり目は、質問を聞いていいっていうことらしいんですよ。」
真山「そう、来てくださってる方の中から。」
廣田「なにかありますか、質問。どうしよ、どうしよ、え、まやちゃん、どうする?」
真山「私はまだまだ何年も選ぶことができるから。(ぁぃぁぃは)リミットがある!」
悩みながら、廣田さんが1人を指名する。

質問1「どうやったら、身長伸びますか?」
廣田「真山さん! どうやったら身長伸びるかだって!」
真山「(履いている厚底の靴を指しながら)これで聞く? あ、伸びる伸びる! これ履きゃいいんだよ! 身長がコンプレックスだったら、ものすごいちっちゃい、1cmぐらいの彼女を作るか、それか厚底を履いて伸ばすしかないんじゃない? あと、よく寝る!」

質問2「お互いの好きな髪型は?」
真山「パンダしゃんのやつ。お団子ふたつのやつ。のばして、引田天功さんがやるようなやつ。」
廣田「引田天功さんか、私かって感じ?」
真山「あれ似合う人なかなかいないよ。かわいい。」
廣田「じゃあ、またやります。ありがとうございます。真山の好きな髪形いっぱいあるんだけど、ファミリーもそうだと思うけど、ポニーテールを見ることが多いから、私服のときは胸キュンなのかなって。」
真山「ギャップ萌え!」

庶民派トーク
真山「庶民派トークじゃなくて、私たちはすでに庶民なんだって!」
廣田「そう、だから逆にセレブ・トークできんのかっていう、お題へのダメ出し。だって、どう頑張っても庶民になっちゃうんだから。」
真山「そうだよ、20時ぐらいにスーパーに行って、半額になってるフルーツとか買ってるんだから。」
廣田「わかる、わかる! 私もスーパーがすごい好きで、ひまつぶしってみんなカフェに行ったりするじゃん。私は時間が空くとスーパー歩いて、ひまつぶししてる。商品が並んでるの見るの大好き。これ庶民派?」
真山「庶民派っていうか、コレクターとかそういう感じなのかな。きれいに並べられてるのが、すばらしいみたいな。」
廣田「A型なんだなって思うんですよ、そういうところ。A型って並べるの好きじゃない? おにぎりとかバラバラに並んでるの絶対イヤなの。ツナマヨ、ツナマヨ、鮭、鮭みたいなの全部並べたいの! 庶民派とはズレるけど、2人ともA型だから。」
真山「私は縦派。コンビニみたいに梅だったら梅で、縦並びにしたい!」
廣田「ほかになにかA型っぽいこと。私たちの共通点、A型と喋るしかないんだよ!」
真山「でも、仲良くやってるよね。」
廣田「多分、わかるんだよ。どのくらいお互いが面倒くさいかっていうのがわかる。」
真山「ちょっと面倒くさい人が多いよね(笑)」
廣田「そうなの。でも、面倒くさいのがわかってるから、自重するよね。A型ってそれをわかってるから、話しやすいっていうのはあるよね。」
真山「お互い触れないところは触れないしね。」
廣田「触れないしー、どこまで喋っていいかとか。けっこう喋っちゃったけど、大丈夫かな?」
真山「まぁ、いいんじゃない。(見に来ているのは)よくわかってくれてる人たちだし。」
廣田「そうだね。A型の人ってどれくらいいるんですか?」
客席の多数が手を挙げる。
廣田「言うよね、推しに似るって!」

まとめ
廣田「もう終わりだって!」
真山・オーディエンス「えーーーーー!」
廣田「あー、ダジャレだ! えーーー!」
なにかのツボにはまったようで、廣田さんの引き笑いがしばらく止まらない。
廣田「本日のトークショー、これで終わりということで。」
真山「40分ぐらいやりたかったね。」
廣田「ほんとだよ、倍できたけど、足りないぐらいがちょうどいいんじゃないですか。」
2人の後ろのスクリーンには「真山りか&廣田あいか トークショー」と表示されている。「真山りか」は紫の文字、「廣田あいか」は黄緑の文字、「トークショー」は赤い文字。
真山「これさぁ、(エヴァの)初号機と弐号機のカラーだよね(笑)」
廣田「じゃあ、キリがないんで帰ります。」
真山「今日はトークショーに来て下さったみなさん、本当に…」
真山・廣田「ありがとうございました!」

個人的な感想
 この2人なら、次々と言葉が溢れ出てくるだろうな、と思っていましたが、予想以上に密度の高い20分間。本当に事前に話す内容を決めていなかったようで、ラジオやライブのMCよりも自由で、そのぶん2人の素の関係性が見えた気がします。廣田さんが自由にぽんぽんと喋り、真山さんが的確なところで締める、という感じで信頼し合っているのが自然と伝わりました。前から分かっていたことだけど、廣田さんは本当に頭の回転が早い人ですね。

 あと個人的にグッときたのは、「当たり目」を引いて客席から質問者を選ぶときに、真山さんが「私はあと何年も選べるから」と言って廣田さんに選んでもらったところ。現時点では、あと何年もエビ中にいるつもりなんですね。こういう言葉に安心してしまう。





2017年11月18日 私立恵比寿中学トークショー第4部 真山りか@日本工学院専門学校


2017年11月18日(土)
私立恵比寿中学
11th Single『シンガロン・シンガソン』発売記念トークショー
第4部 真山りか
日本工学院専門学校

 シンガロン・シンガソンの発売記念トークショーに行ってきました。第4部の真山さんの回と、第7部の真山さん・廣田さんの回に参加しましたので、備忘録としてまず第4部の内容を書き留めておきます。話の順番や言い回しなど、実際と異なる部分もあろうかと思いますが、ご了承ください。かぎかっこ内は、本人がこんな感じで喋ってたよというのを直接話法で書いています。それ以外は話の要旨を僕なりにまとめたものです。

イントロダクション
 ステージ上には、椅子と演台のようなテーブルがセッティングされている。テーブルの上には、ペットボトルの水。定刻の15:30になると、iPadを持った真山りかさんがステージへ。iPadを、カバーを使ってテーブルにセッティングしようとするが、なかなかうまくいかずペットボトルを倒してしまう。

 「みなさん、こんにちはー! 胸が高鳴る5文字は?と聞かれたら、アニメイトと答えます、真山でーす! お願いしまーす!」

 「昨日は池袋、今日は秋葉原のアニメイトに行ってきました。一昨日は桜エビ~ずのライブで秋葉原に行ったときにアニメイトにも寄って、そのあと友達とご飯を食べるために池袋に行ってるんで、秋葉原、池袋、池袋、秋葉原!」

 「(今日の会場が)蒲田だから、シン・ゴジラの話をしようかなと思ってたんですけど、観てない人はつまらないかなと思うし、こういうトークショーに来てくれる人は、かなり真山に対してマニアックな人が来てくれてるんだなと思って。あっ! 「マニアック」、「シンゴジラ」、5文字なので、5文字をキーワードに芯がない話をしようと思います。」

田村ゆかりさんの話
 「”た、むら、ゆ、か、り”さんの話をしたいと思います。今、6文字と思ったでしょ? 漢字で書くと5文字ですから! この中で9月26日、27日の横浜アリーナでのライブ行った人どれぐらいいる? 手挙げて! (客席から5人挙手)」

 「私の私生活、5分の2ぐらいポケモンで、残りの5分の3は田村ゆかりさんで占められてる。私の私生活の話をしようと思って、だから田村ゆかりさんの話をしたいと思います。」

 「みんな、このあとレポとか載せるんでしょ? 「ツイッター」で。これも5文字。ハッシュタグは「田村ゆかり」でお願いします。」

 9月26日と27日、お休みをもらって田村ゆかりさんのライブに行ってきた。1曲目から半分ぐらいまで、会えた感動でずっと泣いていた。エビ中のライブでも泣いてくれる女の子がいて、とても嬉しいけど、嘘だろーと思っていたが、会えた喜びで涙が出るということがわかった。

 2日間とも事件があった。1日目は、開演前にカフェに行ってパスタを食べていると、隣の席の田村ゆかりさんファンの女子2人組が真山のことを話していた。会話を聞いてみると「真山は昔から、ゆかりさんの事が好きで、今日のライブに花を出している。めっちゃ努力して、ここまで来たのが凄い! ゆかりさんと真山が仲良くしているのは嬉しい」というような内容。女子2人組に気づいてもらおうと、わざと咳き込んだりしたが、最後まで気づかれず。

 「ある意味、胸は高鳴りました。いつ気づくかなっ?……気づかなかった…」

 2日目は、自分でお金を出してチケットを購入していたが、田村ゆかりさんがライブに招待してくれて、関係者席で観ることができた。

 「という話をしていたら、(ストップウォッチが)もう14分になっていました。ここまでは5文字のキーワードで、私の胸が高鳴る話をしたんですけど、きっと皆さんの胸が高鳴ることって”レスポンス”だと思うんですね。コールがなければレスポンスができないので、これから手を挙げてもらって、指名した人にコールしてもらって、私がそれに対してレスポンスをしていきたいと思います。5文字のキーワードで考えてください!」

コール&レスポンス
 数人が挙手し、真山が「私、女の子には優しいんだー!」と言って女性1人を指名。ステージを降りて、その人の近くまで行く。指名された方があげたキーワードは「サイドエム」(SideM)。

 「サイドエム! 皆さんなんのことかなと思いますよね。アイドルマスターというゲームがあるんですけど、それの男の子版です。なんで君、こんなみんなが分からないキーワードを選んだんだ(笑) これはね、声優現場でしか伝わらないんだよ!笑」

 「また、女の子がいるんだけど、でもさっき女の子あてたから、今度は男の子にしよ。」と言って、2人目に男性を指名。2人目の方からのキーワードは「おそ松さん」。

 「おそ松さん、今2期放送中なんですけど、私の推しはもちろん一松! 4文字! いや〜、かわいいんですよ一松。私、自分でいうのもあれだけどさ、闇属性じゃん? やっぱり闇がある人って、闇にひかれるんだなと思って。けっこう、私推しメン紫多いな。」

 おそ松さんの話から、アニメイトに行ってグッズを買った話。そこから、グッズを保管するか、実際に使うか、という話へ。真山は買ったグッズをあまり使わないとのこと。オーディエンスに向かってグッズを使うかどうか聞いてみると、「使う」という声が多い。

 作ってほしいグッズがあるかオーディエンスに意見を求めると、1人目の方は「カメラバッグ」、2人目の方は「キャップ」と発言。

 「カメラバッグ!? ああ、確かに私もキャラクターのカメラバッグがあったら使ってしまうかも。他は? キャップ!? キャップはなぁ、来年のグッズなににしようかって考えてたんですけど…」というところでシンガロン・シンガソンが流れ始める。

 「これが始まったということは、いま私のストップウォッチでは19分49秒なんですけど、もう20分経ったということですね。なんにもまとまってないんですけど、”ガロンソン”が流れたので、みなさんに”ありがとう”を伝えて締めたいと思います。」

 iPadを持っていたら「(おそらくスタッフに)スティーヴ・ジョブズだ、さすが真山さ〜ん」みたいに言われたが、実際はとても緊張していて思うように話がまとまらなかったこと、自分の世界を少しでも皆さんに知ってもらえて、真山って面白い!と思ってもらえたらいい、ということを話して終了となりました。

 どこかで、「私立恵比寿中学 放送部」のメインパーソナリティをやらせてもらっているという話もしていて、その経験が活きているのか、ご本人は「まとまりが無い」と言っていたけど、それぞれの話に原因と結果があり、真山さんの真面目さとサービス精神が伝わる、とても聞きやすいトークショーでした。





私立恵比寿中学「シンガロン・シンガソン」


 「シンガロン・シンガソン」は、2017年11月8日に発売された私立恵比寿中学のメジャーデビュー後11枚目のシングル。楽曲提供はMrs. GREEN APPLEの大森元貴。このシングルのリード・トラックである「シンガロン・シンガソン」がとても素晴らしく、いろいろと言いたいことが増えてきたので、以下に僕が感じたことを記述させていただきます。

※ 本文中に音名が出てきますが、わかりやすいようにカッコ内にハ長調におけるドレミファソラシドでの呼び方も示しています。

※ CDやMVの特定の部分を指し示すために「2:25あたり」のように書いていますが、MVには曲が始まる前に映像のみの無音部分が含まれるため、CDとは再生時間が違います。基本的にはCDでの再生時間、MVについて触れている箇所のみMVでの再生時間を基準にしています。

ミュージックビデオ(MV)と楽曲の親和性
 まず、この曲のミュージックビデオ(MV)について。この曲はMVも素晴らしいんです。楽曲からもカラフルなイメージは十分に伝わってきますし、おもちゃ箱をひっくり返したように楽しい曲なのですが、MVと楽曲との親和性が非常に高く、曲の魅力を何倍にも増してくれます。

 イントロから、カラフルな衣装を着たメンバーたちが、足を滑らせて転んだり、両手いっぱいに持った荷物をぶちまけてしまったり、そんなシーンが続く色あざやかなMVです。まず視覚的な楽しさに注意が向きますが、歌詞との親和性、楽曲全体のメッセージを視覚的に伝えてくれる、映像としての情報量の多さに圧倒されます。

 まとめると、歌詞、音楽、映像に一体感があり、単なる言葉以上にメッセージが伝わってくる、というのが僕の考えです。それでは、この曲が持つテーマ、この曲から伝わるメッセージとは何でしょうか。

 1回目のサビは「何回だって 転んでもいいんです」という歌詞から始まります。2回目のサビには「いつまでだって 夢見ていいんです」、最後のサビには「悩んで悔やんで もがいてもいいんです」というフレーズもあります。このように前向きな表現が、いくつも散りばめられています。この曲が伝えたいことのひとつは、この前向きな気持ちと言っていいでしょう。

 では、例にあげた歌詞に注目してMVを見てみましょう。MVはイントロの音が流れ始める前に、3秒ぐらい映像のみで無音の部分があります。まず、メンバーがよろけるシーンが続き、曲が始まります。その後も、メンバーがよろけたり転んだり、両手いっぱいに持った箱や袋をぶちまけてしまうシーンなどが、随所に差し込まれています。そして、転んだり、荷物を落としてしまっているのに、メンバーの表情はとても楽しそうです。MVの0:35あたり、0:52あたりには、箱の中身が床に投げ出されるシーンもあります。

 このように「転んでもいいんです」を連想させるシーンが頻出するMVですが、2箇所だけ逆再生になっている部分があります。1箇所目は1:59あたりから、2箇所目は3:13あたりからで、それぞれぶちまけてしまった箱や袋の中身が、元どおりに吸い込まれていき、メンバーの手元に戻っていきます。このシーンは、なにを意味するのでしょうか。

 僕には、「転んでもいいんです」「夢見ていいんです」に続く、何回だってやり直せるよ、というメッセージのように感じられます。何回転んでも、持っていた大切なものを落としてしまっても、必ず自分の手に戻ってくる、ということを逆再生部分は語っているのではないでしょうか。この曲では「転んでもいいんです」という前向きな言葉のあとに、それを説明する言葉や、それを後押しする「また立ち上がれるよ」のような言葉は続きません。しかし、あえて説明的な言葉を使わずとも、むしろ使わないからこそ、今を大切にしようとする前向きさが深く伝わるということもあります。歌詞で説明的な表現が過ぎると陳腐になります。

 最後のサビの終盤には”人生は「今日をコレクション」”というフレーズが出てきます。説明すると陳腐になると言いながら、自分も説明してしまいますが、この表現は「今日1日を精一杯がんばることが大事だよ」というような意味でしょう。そうした、刹那的な輝きも、逆再生部分からは伝わるのではないかと思います。

 そして、MVの最後は全員で決めポーズをとるところで星名さんがバランスを崩してよろけてしまい、それに気づいたのか後ろにいる中山さんが笑うところまでが収められています。このシーンは、何度か撮影されたものの、星名さんがよろけてしまったテイクが最終的に採用されたとのことです。僕が監督だったとしても、迷わずこのテイクを採用します。その理由は「転んじゃったけど、そのテイクを使ったのが逆に面白いでしょ」ということではなく、「何回だって 転んだっていいんです」というメッセージを視覚的に伝えるのに、これ以上ない表現だからです。

 前述した逆再生部分と同じく、転んでも前向きにやり直せばいいんです、ということを言葉を使わずに表しています。このシーンは、よろけるところがたまたま撮れたからそれを使ったというよりも、誰かが転ばなければならなかった、と僕が監督なら考えます。そして、よろめいたのが天真爛漫な性格の星名さんだったのも、結果的に完璧だったと思います。

ボーカルと楽器の関係性
 次に、イントロ部分の曲の構造について書きます。弾むようなリズムと、生楽器感のある音質のドラム、カラフルで電子音然としたシンセサイザーから、曲がスタート。歌い出しは、タイトルでもある「シンガロン・シンガソン」という歌詞から始まります。最初の「シンガロン」はE♭(ミのフラット)の音から始まり、その後に続く「シンガソン everyday シンガソン」の一音目で、1オクターヴ近く高いD♭(高いレのフラット)まで一気に上がり、そこから少しずつ下降していくメロディー・ラインです。

 上記のボーカルのメロディー・ラインを追いかけるように、コール&レスポンスのようにも聞こえる、シンセサイザーのフレーズが続きます。こちらのシンセのメロディーは、A♭(ラのフラット)から始まり、D♭(高いレのフラット)まで上昇、その後にまたB♭(シのフラット)まで下降します。音の動きを形であらわすと、D♭を頂点にした山のようなメロディー・ラインが2回セットで繰り返されます。

 エビ中の歌声とシンセサイザーの音色の鮮やかさもさることながら、ボーカルと楽器の関係性が、この曲に奥行きとカラフルなイメージを足しているな、と個人的には思います。僕は、ボーカルのメロディーがあって、それを支えるその他の楽器の伴奏、という主従のはっきりした関係性の曲よりも、ボーカルと各楽器が絡み合うような構造の曲の方が好きなのですが、この「シンガロン・シンガソン」という曲は、ボーカルと楽器の関係性、ブロック毎のメリハリのつけ方が秀逸です。

 「シンガロン・シンガソン everyday シンガソン」と歌うイントロ部分は、ボーカルとシンセサイザーの関係が対等で、ボーカルが引くと、シンセが追いかけてきます。また、前述したとおり、ボーカルのメロディー・ラインも、それを追いかけるシンセのメロディー・ラインも、上がってから下がっていく、という点では共通しています。

 このふたつのパートの追いかけっこのような関係が、次々と押し寄せる波のように、有機的なアンサンブルとなっていて、聴いていて楽曲に引き込まれていきます。サウンドも生楽器と電子音が混ざったカラフルな印象で、曲のイントロダクションとしては、理想的と言えるのではないでしょうか。イントロ以外の部分も、ボーカルと楽器の関係性が曲の進行に合わせてガラリと変わり、常に飽きることがありません。

楽曲の二面性
 「いい歌」「好きな歌」の基準は人それぞれですが、僕個人は意味が限定されない間口の広い歌に興味を引かれます。もちろん、意味が限定された「泣ける歌」や「応援歌」がダメだ、嫌いだと言いたいわけではなく、そういう歌にも好きなものは多くあります。言い換えると、「泣ける歌」であってもひたすらに悲しいだけではなくユーモアの感じられるもの、「応援歌」であってもその中に憂いやリアリティを感じられるものが好き、という感じでしょうか。

 この曲の歌詞には”僕らの「ファイトソング」”と”人類のラブソング”という2つの言葉が出てきますが、まさにこの曲はファイトソングでもあり、ラブソングでもある、僕らの歌でもあり、人類の歌でもある、間口の広い曲であると思います。MVのところで書きましたが「何回だって 転んだっていいんです」というのが、メッセージのひとつだとしても、底抜けに明るいだけではなく、人間らしい憂いや迷いも感じられるようになっています。

 具体的に憂いが感じられる部分として、例えば1:49あたりからの「涙枯れ果てない様 ずっと笑って居たいよ」というところは、ずっと笑っていよう!という100%の前向きさではなく、若干の憂いが感じられます。そのしばらく後に「アゲてテンション!」と100%前向きと言えるような歌詞が続くため、憂いや迷いのある心を奮い立たせようとする心の動きが、より引き立ちます。

 また、2:47あたりからのCメロ部分の歌詞「大事にして居たいな」「忘れずに居たいな」も、あくまで自分の希望を口にしているだけで「大事にしたい!」「絶対に忘れない!」という強い言葉ではありません。基本的には前向きなことを歌っていながら、歌詞の中の語り手に人間らしい弱さが感じられるところが、この曲にリアリティを与えているし、魅力になっていると思います。また、そのような歌詞はエビ中のキャラクターにも合っていますよね。

 前向きな言葉と、憂いを持った心、その二面性はMVにも描かれています。先ほどこのMVには、カラフルな衣装を着たメンバーたちが足を滑らせてたり転んだりシーンがいくつもあると書きましたが、各メンバーが床に張り付くように歌うシーンも何回も出てきます。また、よろけたり、両手に持った箱や袋をぶちまけてしまうシーンでは満面の笑顔だったメンバーが、床に張り付くシーンでは憂いのあるアンニュイな顔をしています。ふたつの表情が次々に切り替わるMVも、楽曲が持つ二面性を視覚的にも伝えてくれていると言えるでしょう。

曲の展開とメンバーの歌唱力
 先ほど、曲のイントロ部分の構造について書きましたが、楽曲全体を通しても、アレンジとメロディーの運び方が、とても凝っているし効果的だなと感じました。前述したとおり、イントロ部分はボーカルとシンセのメロディーの追いかけっこのような関係が、曲を加速させていきます。0:17あたりからのAメロでは、歪んだ硬質な音のギターが前面に出てきて、ボーカルのメロディーとお互い絡み合うように、曲をさらに加速させます。

 これが、1:26あたりからの2番のAメロでは、ギターも含めた楽器隊がリズムをゆったりとってボーカルのメロディーを際立たせたり、ピアノが8分音符を叩きつけるように刻んだりと、1番のAメロと違いを作り、ボーカルは同じメロディーでありながら、聴いたときの印象がかなり変わります。このように、アレンジが効いているなと思う部分が多く、メロディーの起伏以上にカラフルな印象を受けます。

 次にボーカルのメロディーの動きを見てみましょう。イントロ部分はまず、A♭(ラのフラット)からD♭(高いレのフラット)までの5音分の飛躍があるものの、その後は緩やかに下降していきます。Aメロ前半は音の歩幅は最大でも1.5音ですが、1番の歌詞でいうと「まぁ、いざ行こう」の「まぁ」と「いざ」のところで5.5音、上がります。Bメロも前半部分に3.5音下がるところ、サビ前に上昇していく部分はあるものの、起伏が激しく上下するということはなく、比較的ゆるやかなメロディーだと言えるでしょう。

 上記のように、ここまではそれほど急激な上下が繰り返されることはないメロディーですが、サビで一変します。サビの冒頭、1回目のサビでいうと「何回だって 転んでもいいんです」という部分のメロディーは、学校のチャイムにも例えられるように上下を繰り返します。さらに面白いなと思うのは、リズムの単位としては大きめで、2分音符ごとに音が切り替わっていくんですよね。それまでの方がリズムは細かく複雑なのに、音の上下によって高揚感と解放感を出しています。曲のタイトルにかけるわけじゃないですが、これはみんなでシングアロングしたくなる流れだよなと。ちなみにサビの部分は転調もしていますね。

 次に、この曲の最高音について。この曲の最高音は、3:21あたりからの「ギャンギャンギャン」と、その後に続く真山さんの「大事です」の「い」の部分で、F♯(高いファのシャープ)まで達しています。アイドルにとっては、と言うとエビ中に失礼かもしれませんが、なかなかこの高音を出すのは難しいはずです。しかし、全員で歌う「ギャンギャンギャン」も、真山さんが歌う「大事です」も、ファルセットを使って余裕を持って歌っています。

 直近2枚のシングルは「スーパーヒーロー」、「まっすぐ」と、高い歌唱力を要求される「いい歌」系の楽曲が続いたエビ中ですが、この2枚で培ってきたものが、本来エビ中が得意としていたカラフルでサブカル感あふれる曲にも反映されてきたようで、今後のエビ中がますます楽しみになってきます。

 また、最高音を「ギャンギャンギャン」という泣き声をあらわす歌詞にあてたことも、この曲のテーマとメッセージを象徴しているよなと思います。強がりつつも弱さを見せて、時には素直になって泣くことも大事だよと言ってくれているようで、まさに自分を奮い立たせるファイトソングでもあり、全ての人に向けたラブソングのようにも響きます。

まとめ
 ここまで書いてきたことを3点にまとめますと、
1, 楽曲とミュージックビデオの親和性が高く、見ていて楽曲のメッセージがより強く伝わる。
2, 曲のテーマは基本的には「応援歌」だが、憂いや迷いなどの人間らしさも含まれていて、リアリティがある。
3, エビ中がこれまでに築き上げてきた歌唱力やキャラクターが活かされたエビ中らしい楽曲。
ということです。

 長々と書いてきましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。とにかく、1人でも多くの方に聴いてもらいたいなと、心から思います。