2014年3月15日 ももいろクローバーZ@国立競技場


2014年3月15日 (土)
ももいろクローバーZ
国立競技場
「ももクロ春の一大事 2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」

セットリスト
1, ももいろパンチ
2, 未来へススメ!
3, 行くぜっ! 怪盗少女
4, ピンキージョーンズ
5, ミライボウル
6, Z伝説 ~終わりなき革命~
7, D’の純情
8, 労働讃歌
9, 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
10, Z女戦争
11, サラバ、愛しき悲しみたちよ
12, GOUNN
13, 泣いてもいいんだよ
14, DNA狂詩曲
15, BIONIC CHERRY
16, PUSH
17, Chai Maxx
18, words of the mind
19, いつか君が
20, ツヨクツヨク
21, 鋼の意志
アンコール
22, 仮想ディストピア
23, 堂々平和宣言
24, 月と銀紙飛行船
25, コノウタ
26, 走れ!

 ももクロの国立2days、本当に素晴らしかった。2日間とも何度か号泣ポイントがあったけど、それを差し引いてもライブとしての満足感が高かったです。

 今回のライブでまず個人的に良かったと思うのは、ゲストが必要最低限で、演出も全てがももクロのライブの魅力を、機能的に引き出していたこと。もちろんゲストや演出自体がダメとは思いませんが、最近のライブでは、演出しすぎること、ゲストを呼ぶことで、ももクロの本来得意な部分が失われていると感じることがあったので。いろいろな人と共演することで、ももクロの世界観が広がる、そうやって得意な部分を広げていく意図もあったんだと思います。あるいは大人の事情というものも。でも、国立での2日間では、僕が見たいももクロをこれでもかというほど見られて、何回も泣きました。

 5TH DIMENSIONとGOUNNのツアーは、それぞれコンセプトを持ったライブを作り上げていて、この2つのツアーも素晴らしかったと思っていますが、国立のライブは設定されたコンセプトや世界観ではなく、「ももクロ」のストーリーとキャラクターを描き出していました。「事実は小説よりも奇なり」って言葉を、地で行っちゃってるなと。5人の真っ直ぐで強い気持ちが世界を変えてきたこと、5人の天然記念物と呼べるぐらいの純粋で魅力的なキャラクター、5人が育んできた絆、それだけで何回も泣けるんです。

 もうひとつ良かったのは、生バンド。生バンドを導入するのは基本的には大賛成なんですが、今までのライブではまだ手探り感があるというか、バンドで映える曲をセットリストに取り入れようとするあまり、ライブ全体のバランスがちょっと窮屈そうな印象を受けることがありました。それが国立の2日間では、今までで最も、ももクロのパフォーマンスとかみ合っていたんじゃないかと。今までもバンド演奏でダイナミズムを増していた「怪盗少女」や「労働讃歌」はもちろん良かったし、東響コーラスさんも「猛烈」に厚みを加えていました。ももクロのライブの魅力のひとつは、ロックやジャズに近い一回性の価値があるところだと思うんです。本来、生バンド・生演奏とは相性がいいはずだと思っていたけど、国立ではそれがぴったりハマってました。

 演出の佐々木さん、ももクロが売れるにつれて、有名になるにつれて、ライブの演出内容を批判されることも多くなっていたけど、やっぱりがっちりハマった時のももクロとの相性は最高なんだよな、と思います。国立の2daysで、ももクロの表情がとにかく良くて、こういう顔を引き出せるのは、やっぱり佐々木さんとの関係性が大きいんじゃないかと。

覚えている限りの、9曲目の猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」のあとのMCと自己紹介。
百田「やっぱ野外は、月も見えるし」
玉井「嬉しい事に快晴だからね!」
高城「最初、雨の予定だったんだけど、奇跡が起きましたよ!」
佐々木「めっちゃ嬉しかったんだけど、朝カーテン開けたとき。」
百田「佐々木さんには私たち4人は負けないですよ、いくら雨女だからって。」
佐々木「雨降ったら、全部私のせいにされるの。今日で証明されたじゃん! 晴れ女じゃん!」
高城「違う、だって晴れ女が…」
百田「高城さん、もう時間ないんですよ! 高城さんからお願いします。」
ここから順番に自己紹介。しおりんは自己紹介のあとに「こくりつーーー!」と絶叫。
玉井「盛り上がってんのかーーー!? 声が出せるのかっ!? 今日はあの聖火台に燃える…(笑)」
百田「玉井さん、リハからずっと“わたし、盛り上げるから”って、ずっと言ってたじゃん。玉井さん、今本番だから。焦んないで! リハ通り、リハ通り!」
玉井「声が出せるのかっ!? ありがとうございます! 今日はあの聖火台に燃える炎のように、熱い熱いライブにしましょう! よろしくお願いしまーす!」
 しおりんに続いて、杏果の自己紹介。
「ももクロのちょっぴりおバカな小さな巨人、有安杏果です。19才です!」と言うと、みんなペンライトを緑に切り替え、緑色に染まる国立競技場。本気で感動して、目を潤ませる杏果。
有安「(驚きで少し声を裏返しながら) うそー!?」
百田「高城さん、笑うとこじゃないでしょ!」
高城「感動してんの!」
有安「19才になりましたーーー! みんな自分の好きな色のサイリウム出してください。次、夏菜子!」
 このあと夏菜子の自己紹介が始まると、今度は真っ赤に染まる国立。
百田「全色、持ってんの?」
玉井「そうなると、杏果の今の感動がおかしくなるから!」
有安「今ね、一気に涙が乾いた!」
百田「ほら、緑にして! せーの! 緑っ!」
再び緑に染まる国立競技場。
百田「はい、赤!赤!赤!赤!」
高城「紫!紫!紫!」
佐々木「ピンク!ピンク!」
玉井「黄色!黄色!黄色!」
高城「すごーい! なんで?」
百田「全色になるってこと?」
高城「そうだ! 全色のサイリウム出たんだ!」
佐々木「あーっ、そうだった!」
百田「ダメだよ! 1分前ぐらいの有安さんの全部なくなるから、もう1回みんなで緑にしよ!」
有安「みんな緑のサイリウム持ってきてくれたんだね! ありがとー!」

 17曲目の「Chai Maxx」のあとにも、あーりんが「今日ってなんの日だっけ?」って言って、杏果の誕生日をお祝いするくだりがありましたが、個人的にはここの場面の方が泣けました。会場が緑に染まった時の、杏果のびっくりしているのと感動しているのが入り交じった表情。国立っていう大きな会場なのに、こういう素の部分・表情が見られるシーンが多かったと思います。自分の自己紹介が終わったあとに「好きな色のサイリウム出してください」って言うのも、杏果らしい。

 国立で自分が一番感動した部分てどこだろう、と考えると、あの大きな会場で、等身大の5人が見られたことが、何にも増して感動しました。今回はオープニングや途中のVTRで、過去の映像が多く使われていましたが、ほんとに良い意味で変わっていない部分が多くて。もちろん歌やダンスのクオリティーは格段に上がっているんだけど、路上や屋上でやってた頃から、「目の前の人を笑顔にしたい」っていう思いは全く変わってないっていうのは、本当に奇跡です。