2014年4月15日 私立恵比寿中学@日本武道館


2014年4月15日 (火)
私立恵比寿中学
日本武道館
「私立恵比寿中学 合同出発式~今、君がここにいる~」

セットリスト
1, エビ中一週間
2, サクラ・ゴーラウンド
3, ほぼブラジル
4, オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~
5, 禁断のカルマ
6, Another Day
7, I’m your MANAGER!!!
8, 頑張ってる途中
9, 結果オーライ
10, ザ・ティッシュ~とまらない青春~
11, 梅
12, 放課後ゲタ箱ロッケンローMX
13, 未確認中学生X
14, 使ってポートフォリオ
15, 誘惑したいや
16, 大人はわかってくれない
17, スターダストライト
18, またあえるかな
19, フレ!フレ!サイリウム
20, 約束
21, Dear Dear Dear
22, えびぞりダイアモンド!!
アンコール
23, Go! Go! Here We Go! ロック・リー
24, Lon de Don
25, 仮契約のシンデレラ
26, イッショウトモダチ
27, また明日

 エビ中の武道館公演「私立恵比寿中学 合同出発式~今、君がここにいる~」に行ってきました。結論から言うと最高でした。僕もエビ中にそれなりの思い入れがあって、このライブに行ったわけですが、正直どんなセトリで、どんなライブをしたとしても、悪いライブになりようのない状況ですよね。

 これを、エビ中を全く知らない人が見て、全体のライブとしてどう映るかは置いといて、少なくともエビ中に少しでも思い入れのある人だったら、なにかしら感じるところのあるライブのはず。言うまでもなく、瑞季、なっちゃん、裕乃さんの3人の転校公演。その意味があまりにも大きくて、なかなか客観的にライブを語るのは難しい。ので、自分の感じたことを書きます。

 前述したとおり、この日はセトリどうこうってライブじゃないなと。正直、「この曲やらないのかー」「これやるんなら、こっちが聴きたかったなぁ」って部分がなかったわけじゃないですが、どれもこの9人でやるのは最後だと思うと、どの曲も大切に思えてきて、大切に聴きました。

 20曲目「約束」のあとの、転校していく3人の挨拶。この部分は間違いなくライブのハイライトでしょう。3人とも、それぞれの誠実さの伝わる素晴らしい挨拶だった。ブラックタイガーの「学芸会レポート」に、3人の挨拶の全文が載ってます。

 まずはなっちゃんから。今にも泣きだしそうな震え声で、言葉を紡いでいくなっちゃん。ファミリーへの「なかなか素直にはなれなかったけど」って言葉が、個人的には一番刺さりました。メンバーの中で、しっかり者として認識されていたなっちゃんだけど、同時にいわゆるアイドル的な振る舞いを苦手にしていたのも事実です。ステージ上でも、握手会でも、自分の気持ちをうまくアイドル的に表現できないことに悩んでいたんだな。なっちゃんの性格からしたら、ファンのことを大切に思っていることはわかりきってるんだけど。だから、エビ中として最後のライブでの「素直にはなれなかった」という言葉には重みがあるし、なっちゃんの真面目さと誠実さが表れてます。

 裕乃さんの挨拶は、まず裕乃さんが冒頭からボロボロ泣き始めて、言葉に詰まってしまい、そのあとに続く言葉も正直な言葉で、今までで最も素の裕乃さんが見えた気がしました。普段あまり感情を表に出さない裕乃さんだけに、涙声で語る「歌のパートも欲しかったし、ダンスの位置もできるだけ真ん中にいたかった」という言葉が印象的。

 エビ中みたいに、メンバーもみんなおっとりしてて優しくて、競争を表面化させないゆるさが売りのグループでも、どうしても競争って生まれます。裕乃さん、歌やダンスでめちゃくちゃ悩んで、めちゃくちゃ努力したんだろうな。そんな裕乃さんが辿り着いた「Another Day」かと思うと、この曲が凄く意味のある曲に聴こえてきます。

 瑞季の挨拶は、彼女の誠実さが凝縮されていました。たぶん、何を喋るかものすごく考えてきていて、ほんとはこの10倍ぐらいは喋りたいことがあるんだけど、本当に伝えたい事を、言葉を選んで伝えているって感じで。瑞季もところどころ感極まって、言葉に詰まるところがありました。瑞季が喋ってる間、真山が明らかに涙を我慢して、瑞季を見ないようにしているのも印象的でした。

 3人の挨拶が、それぞれ自分の言葉で、自分の気持ちを伝えてくれたので、なんだかとても救われたというか、納得できたというか、ライブが終わったあとは、とても満たされた気分になりました。3人から前向きな言葉も聞けたしね。ただ、3人ともそれぞれアイドルとしてどうあるべきか悩んで、アイドルに向いてないって思うこともあったのが伝わってきて、聞いていて胸が苦しくなる部分もありました。

 「アイドルらしく振る舞えない」「自分はアイドルに向いてないかも」って悩みは、アイドルを続けるうえで、大きい悩みですよね、当たり前だけど。エビ中は、いわゆるアイドルらしくない人、アイドルに向いてなさそうな人が、音楽的にもアイドルポップの王道から斜め上を行く、でも外れすぎてはいない曲をやってるのが、かっこよかったんだけどな。

 アンコールから合流した新メンバーのかほりこも、未来の匂いを感じさせてくれて良かった。この日は基本的にかほりこを抜いた9人でのパフォーマンスで、かほりこはアンコールから合流。しかも、忍者の格好をしたり、着ぐるみを着たりと、おまけ的な登場だったのも良かったと思います。3人の立派な挨拶のあとで、まだまだ始まったばかりのかほりこがステージに上がって、9人のエビ中を邪魔せず、自然な流れで11人全員がそれぞれ前向きに未来に向かってく感じで。

 ライブの冒頭から、自分も断続的に泣いていたし、寂しい気持ちもあるんだけど、終わった後はとてもすがすがしく、「素晴らしいものを見せてもらった」という充実感が残りました。今後のエビ中にも期待しています。