「ライヴレポート」カテゴリーアーカイブ

2014年3月21日 たこやきレインボー@イオンモール伊丹


2014年3月21日 (金)
たこやきレインボー
イオンモール伊丹 エンターテイメントコート 1F
「なにわのはにわレインボーツアー⑥: 彩木咲良生誕祭もあります。」

セットリスト
1, なにわのはにわ
2, レインボーレボリューション
3, めっちゃFUNK
4, ココロのちず (BOYSTYLEのカバー)
5, ちゃんと走れ!!!!!!
アンコール
6, オーバー・ザ・たこやきレインボー

 なにわのはにわレインボーツアーの6本目、さくちゃんこと彩木咲良さんの生誕祭も兼ねたライブ。関西でたこ虹を見るのはこれが初めてです。会場はショッピングモールで、吹き抜けになった部分の1階にステージが設置され、ステージ脇にはエスカレーター。吹き抜けになっているため、上の階からもステージを見下ろすことができました。

 ライブは「なにわのはにわ」からスタート。始まった瞬間からコールが凄い!僕は着いたのが遅かったんで、2階の脇の方から見てたんですが、買い物に来てる普通のお客さんのリアクションを見るのも面白かった。

 3曲目「めっちゃFUNK」後に、3月26日に誕生日を迎える彩木咲良さんの生誕祭。さくちゃんは衣装替えに向かい、他のメンバー5人がMCで場を繋ぎます。しばらくすると、生誕祭用の衣装に着替えたさくちゃんが再びステージへ。本人のブログに画像がありますが、ピンクと白のドレスです。ケーキも運ばれてきて、メンバーとたこ虹家族で「Happy Birthday」を歌いました。その後、さくちゃんは「ONE PIECE」のオープニングテーマ「ココロのちず」をソロで披露。

 「ココロのちず」の後には、メンバーからさくちゃんへ一言ずつメッセージを。
 れんれん「さくちゃん、お誕生日おめでとうございます。さくちゃんは年下とは思えないぐらい、めっちゃしっかり者で、めっちゃかわいくて、大好きです。また、ワンピースの話しような。」
 まいまい「まいの生誕のときにも言ったとおり、たこ虹を結成する前から、話しかけてくれて、めっちゃ嬉しくて、今までいっぱい遊びに行ったりもしたし、仲良くなれたと思うし、これからもいっぱい色んなところ遊びに行きたいし、また一緒に遊びに行こうな。また、大阪の商店街とか行こうな。」
 とわちゃん、さきてぃ、くーちゃんは途中から泣いてしまって聴き取りにくかったけど、逆に気持ちはものすごく伝わってきました。

 純粋に歌とダンスだけで、お金を取って見せられるクオリティーかと問われれば、正直微妙だとは思います。この日のライブも実際、フリーイベントでしたし。これがロックやジャズならば、もっと音楽自体、ライブでのパフォーマンス自体が評価の対象になるんでしょうが、アイドルって評価のベクトルが違うところにあるな、と感じました。

 「パフォーマンス」と書きましたが、アイドルの場合には単純に歌やダンスがうまいこと以外にも、例えばライブ中のファンへのレスであったり、MCでのわちゃわちゃ感であったり、ライブ後の握手や2ショット会の対応も、評価の対象になってきますし。ももクロやエビ中と比べると、たこ虹はまだまだ発展途上だし、だからこそアイドルを推すことのコアな部分が見えました。やっぱりアイドルって面白いなぁ。

 現場の雰囲気も良かったし、たこやきレインボーのメンバーの素直さと性格の良さが伝わる、いいライブでした。





2014年3月21日 私立恵比寿中学@グランキューブ大阪


2014年3月21日 (金)
私立恵比寿中学
グランキューブ大阪
Luck To The Future PART2

セットリスト
1, 仮契約のシンデレラ
2, もっと走れっ!!
3, 売れたいエモーション!
4, サクラ・ゴーラウンド
5, 梅
6, 使ってポートフォリオ
7, U.B.U.
8, チャイム!
9, えびぞりダイアモンド!!
10, 誘惑したいや
11, 禁断のカルマ
12, 未確認中学生X
13, Lon de Don
14, ザ・ティッシュ~とまらない青春~
15, 頑張ってる途中
16, 手をつなごう
17, 永遠に中学生
18, フレ!フレ!サイリウム
19, 大人はわかってくれない
アンコール
20, フレ!フレ!サイリウム
21, ザ・ティッシュ~とまらない青春~
22, バタフライエフェクト

 まだ武道館公演を残していますが、転校予定の3人は欠席、転入生のぽーちゃんこと小林歌穂と、りったんこと中山莉子を加えた8人体制でのエビ中での初ライブ。やはり気になるのは、新しい歌割りがどうなるのかと、新メンバーの2人はどれぐらいできるのか。

 基本的になっちゃんのパートをぽーちゃん、裕乃さんのパートをりったんが引き継ぎ、瑞季パートを他のメンバーで振り分けていました。「仮契約のシンデレラ」の冒頭のなっちゃんと裕乃さんの掛け合いも、かほりこへ。瑞季の「私のこと見てるのかな?」はりななんが。「もっと走れっ!!」の裕乃さんの赤組放送委員もりったん、「売れたいエモーション!」のなっちゃんの「でかいの当てちゃって…」の部分もぽーちゃん。ブレイクのあとにも、ちゃんと「ぽーーちゃん!」と入れるエビ中ファミリー。他には「梅」の歌いだし部分の瑞季パートは真山が、その後の出席番号順に歌っていく部分の瑞季パートはひなたが担当していました。

 自己紹介の変更があったところは下記の通り。僕の記憶によるものなので、間違いがある可能性もありますので、ご参考までに。ステージ上の立ち位置は、あやちゃんが右端で、自己紹介の順番に並び、左端が真山。

・あやちゃん「皆さん手拍子お願いします! (手拍子のリズムに合わせて) お待たせしました! (待ってました!) 盛り上げますよー、行きますよー! それそれそれそれ! (それそれそれそれ!) あげあげあげあげ! (あげあげあげあげ!) よしっ! …トマト大好きリコピン少女、出席番号5番、安本彩花です。」

・りななんは変更なし。

・ひなたは歌の部分は変更なし。「降っても晴れてもひなた日和、エビ中のいつも笑顔のおもちゃ箱。出席番号10番、柏木ひなたです!」

・りったん「莉子3拍子、行くぞーー! (おーーーー!!) せーの! (3・3・7拍子のリズムの手拍子に乗せて) たんたんたん、たんたんたん、たんたんたんたんたん、りったーーん! たんたんたん、たんたんたん、今日も一緒にエイエイオー! さそり座の中学生、出席番号12番中山莉子です。」
 「誘惑したいや」のあとのMCで、りったんの自己紹介をもう一度やりましたが、「今日も一緒にエイエイオー!」が「みんなも一緒にエイエイオー!」になっていました。

・みれいちゃんは変更なし。

・ぁぃぁぃは歌の部分は変更なし。キャッチフレーズが「今日も愛の花を咲かせます。ミラクル・マジカル・マスコット、出席番号6番、廣田あいかです。」ぁぃぁぃは「私もキャッチフレーズをちょっとグレードアップしたいなと思って、この機会に変えてしまいましたが、ちょっとだけ出世したということでお願いします。」と説明していました。

・ぽーちゃん「皆さん、一緒にジャンケンお願いします。せーの、ジャンケン! (ぽーーー!) あっち向いて! (ぽーーー!) ジャンケン! (ぽーーー!) こっち向いて! (ぽーーちゃん!) 歌う稲穂、ダンシング・ライス、出席番号11番小林歌穂です。」

・真山は変更なしですが、自己紹介の前に「大阪に真山がいるときーーー! (イエーーーイ!) 大阪に真山がいないときーーー! (あぁー……) 大阪に真山がいるときーーー! (イエーーーイ!) 大阪に真山がいないときーーー! (あぁー……)」ってやってました。

 セットリストは1曲目から19 曲目までは、3月9日の幕張公演と全く同じ。かほりこが大阪までに練習してきた曲はこの19曲ということで、アンコールでは新メンバーの2人がそれぞれもう1回やっておきたい曲をやろうということに。ぽーちゃんは「さっきやったよりも、もっといい感じにしたい」ということで「フレ!フレ!サイリウム」、りったんは「一番間違っちゃったから、リベンジしたい」ということで「ザ・ティッシュ」を選択。アンコールでは、この2曲に新曲「バタフライエフェクト」を加えた3曲を披露してくれました。

 ライブ全体を通して、かほりこは思ったよりパフォーマンス的に馴染んでいたし、エビ中らしさというか、エビ中の優しさとか素直さが伝わるライブでした。先日の幕張公演とは本編のセトリは一緒で、体制が違うライブでしたが、結果的にはエビ中らしさの引き継ぎのような意味合いができて、良かったなと。

 3人が転校したあとに新メンバーが本格的に加入する、という形になると、どうしても「メンバーの入れ替え」という印象が強くなってしまい、新メンバーは最初からプレッシャーと十字架を背負うことになり、それはメンバーにとってもファンにとってもよくないんじゃないかと思います。もちろん、そういう一面も間違いなくありますが、誰かの代わり、誰かの役割を求めるのは、エビ中の未来を狭めることになると個人的には思います。

 ももクロからあかりんが抜けたときとは別の、エビ中らしい変化やスイッチの入り方が見られて、個人的には自分の好きなエビ中らしさは全く損なわれてなかったので、ちょっと安心できたライブでした。みんなでひとつの目標に向かって一丸になって頑張る、というより、入ってくるメンバーにも、転校していくメンバーにも優しさを持って接して、みんなで支え合って歩いていくのが、エビ中らしいなと。

 うがった見方かもしれませんが、ぁぃぁぃが新しいキャッチフレーズに、なっちゃんの自己紹介にある「マジカル」という言葉を使っているところにも泣けてくるし、瑞季のパートを歌う真山も、ものすごく大切に歌っているのが伝わってきて、なんだかめちゃくちゃ感動しました。「Luck To The Future」というタイトル通り、エビ中の未来が感じられるライブで、今後のエビ中がますます楽しみになりました。でも、武道館では絶対に泣くだろうなぁ。





2014年3月16日 ももいろクローバーZ@国立競技場


2014年3月16日 (日)
ももいろクローバーZ
国立競技場
「ももクロ春の一大事 2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」

セットリスト
1, ももいろパンチ
2, 未来へススメ!
3, 行くぜっ! 怪盗少女
4, ピンキージョーンズ
5, ミライボウル
6, Z伝説 ~終わりなき革命~
7, D’の純情
8, 労働讃歌
9, 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
10, Z女戦争
11, サラバ、愛しき悲しみたちよ
12, GOUNN
13, 泣いてもいいんだよ
14, Neo STARGATE
15, BIRTH O BIRTH
16, 黒い週末
17, Chai Maxx
18, Believe
19, いつか君が
20, 灰とダイヤモンド
21, 鋼の意志
アンコール
22, CONTRADICTION
23, 堂々平和宣言
24, オレンジノート
25, ももクロのニッポン万歳!
26, あの空へ向かって

 ももクロ国立2日目。1日目も泣けたけど、それを上回って2日目は泣けました。本当に泣けた。国立2日目で個人的に感動したのは、自分はこういうももクロが見たい、ももクロからこういう言葉が聞きたい、未来のももクロはこうあってほしいっていうのを、5人が全て見せてくれたからです。しかも、想定をはるかに超えて。

 自分がももクロの存在を知ったのは2010年のメジャーデビュー以降、ライブに行き始めたのは2011年のZになって以降。少なくとも自分がライブに行き始めた当時から、「どうしてこの子たちがもっと受け入れられないんだろう」と思うぐらい、圧巻のライブをしていました。アウェーの空気をホームに変えてしまう力、目の前の人を笑顔にする、楽しませる力は、圧倒的でした。僕がライブに足を運び始めたころ、本人たちが口にしたわけではないけど、この5人は「目の前の人を楽しませるためなら何でもする」「目の前の人が笑顔になってくれるなら売れなくてもいい」ぐらいの意識でやってるんじゃないかと思っていました。当時から「紅白出場」を夢に掲げてはいたけど、「いつかはミリオン」「いつかは武道館」的な野心が、いい意味で感じられない。笑顔と歌声で世界を照らし出せると、本気で信じている5人なんだろうなぁと。

 それからももクロはどんどん社会に認知されていって、2012年にはついに紅白出場。もちろん自分も、ももクロの紅白出場は嬉しかったけど、ももクロは既に紅白出場以上のことをいくつも成し遂げてきてるよな、とも思いました。それはCDのセールスや、ライブの動員、世間での認知度という意味ではなくて、今までのどんなグループとも違う価値をもっているという意味です。そして、紅白出場後の2013年の元日には、「国立競技場でのライブ」という新たな夢の発表。

 国立でのライブを次の夢と発表したとき、僕は正直「ももクロのストーリーもそろそろ終わりかな」と感じました。「紅白出場」を達成したら、「国立でのライブ」、それを実現したら今度は別の夢、って続けてしまうと、あまりにも場当たり的だし興ざめするよなと。もしそれが会場の規模を大きくしたり、由緒ある会場でライブをやるっていうレベルの夢を設定し続けるなら、そんなものは設定しない方がマシだと思いました。

 ももクロに限らず、どんなグループでも、ロックバンドでも、本当にいい時期っていうのは短いものです。長く続けていれば、ある程度マンネリ化してくるのは仕方のないことで、僕は国立を区切りにして、ももクロの本当に面白かった時代も終わりなのかな、なんて考えてました。路上ライブから始まったももクロが、紅白に出場して、国立競技場でライブをやって、そういう前時代のバンドのような成功物語も、ここで一段落するんだろうなと。

 そして、迎えた国立2日目。1日目も泣いたけど、2日目も同じポイントで泣き続ける自分。ライブ自体も1日目と甲乙付けがたく良かったけど、クライマックスはもちろん聖火台に上がっての5人の挨拶ですね。

 アンコール終了後、1人ずつメインステージから花道を歩き、アリーナ後方のサブステージへ。5人がサブステージに揃うと、オープニングとは逆に、トロッコのようなジェットコースターで聖火台に上がります。聖火をバックに照明を浴びる5人。光の中に立つ5人は神々しく、ついにももクロが光を放ち始めたように錯覚しました。そして、1人ずつ自分の言葉で挨拶を。多くの人がそうだと思いますが、自分もここでヤバいほど泣きました。ナタリーさんが5人のコメント全文を、文字起こしで載せてくれてるけど、何度読んでも泣ける(´;ω;`)

 れにちゃんの「ももクロを一生続ける」という強い決意。あーりんの「ももクロが夢を叶えたんじゃなくて、みんなに叶えてもらった」と言える感受性。しおりんの「女性アイドルで何十年も続いたグループはいないけど、ももクロはずっと続けましょう」という直感の正しさ。(個人的にやっぱり玉井さんは天才だと思う。)  杏果の「皆さんの声が大好きだし笑顔も大好きです」という誠実さ。そして、リーダーの夏菜子。「笑顔を届けるという部分で天下を取りたい」って、ほんと凄いよ。いつもはみんなからバカにされていじられるリーダーだけど、どんな演出よりも、どんな台本の言葉よりも、ここぞという時に心に刺さる言葉を生み出すのは夏菜子なんですよね。

 国立でのライブを成功させたあと、ももクロはどこに向かうのかな、と思っていたけど、「今まで通りにももクロを続ける」っていうのが答えで凄く安心しました。どんなグループでも、メンバーを変えずに長く続ける、同時に魅力的なグループであり続けるって、ものすごく難しいことで、それを新たな目標・夢にするっていうのは、最も自分が望んでいたことじゃないかと思いました。

 もちろん、ももクロが今後つまらないグループになったり、マンネリ化して毎回同じようなライブをこなすだけのグループになるかもしれません。ロックバンドでも、メンバーを変えずに魅力的なアルバムを作り続けて、いいライブをし続けるのは難しいのに、女性アイドルグループの場合は、しおりんが言うように前例がなく、本当に難しい挑戦だと思います。実際、僕も「ももクロのストーリーはそろそろ終わり」と感じるのと同時に、「ももクロもマンネリ化してきて、自分の興味も薄れるんじゃないか」と思ってました。でも、聖火台でのコメントを聞いたあとでは、そんなことを1秒でも思っていた自分が恥ずかしい。ももクロは今までも、誰もが無理だと思うことに純粋で強い気持ちで挑み続けて、それを実現してきたんだから。僕がももクロに感動するのも、自分だったら無理だと諦めてしまうことに、失敗とか成功とかそんな先の事は考えずに、ただひたむきに頑張るからじゃないか。

 ももクロはこれまでも不可能だと思われることをいくつも成し遂げてきたんだから、「ももクロをずっと続ける」、同時に魅力的な5人、グループであり続けるというのも、きっとできると信じています。そう信じさせてくれる力が、5人にはあります。「紅白出場」や「国立でライブ」のようなシンボリックな目標じゃなく、これからはももクロを続ける事自体が奇跡であって夢であるというのは、最高のストーリーだと思います。

 春には一大事がやってきて、夏にはSUMMER DIVEがあって、冬になるとももクリがある…そんな風にももクロが季節になって、何年も積み重なって歴史になって、ももクロ自体がストーリーになっていく、そういう未来を僕は見たいです。ももクロの夢は、自分の夢。ももクロと同じ夢を見て、その夢の一部でいられるっていうのは、本当に幸せなことです。ももクロを好きで本当に良かった! ヤバい、自分で書いてて、また泣けてきた(´;ω;`)


2014年3月15日 ももいろクローバーZ@国立競技場


2014年3月15日 (土)
ももいろクローバーZ
国立競技場
「ももクロ春の一大事 2014 国立競技場大会~NEVER ENDING ADVENTURE 夢の向こうへ~」

セットリスト
1, ももいろパンチ
2, 未来へススメ!
3, 行くぜっ! 怪盗少女
4, ピンキージョーンズ
5, ミライボウル
6, Z伝説 ~終わりなき革命~
7, D’の純情
8, 労働讃歌
9, 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
10, Z女戦争
11, サラバ、愛しき悲しみたちよ
12, GOUNN
13, 泣いてもいいんだよ
14, DNA狂詩曲
15, BIONIC CHERRY
16, PUSH
17, Chai Maxx
18, words of the mind
19, いつか君が
20, ツヨクツヨク
21, 鋼の意志
アンコール
22, 仮想ディストピア
23, 堂々平和宣言
24, 月と銀紙飛行船
25, コノウタ
26, 走れ!

 ももクロの国立2days、本当に素晴らしかった。2日間とも何度か号泣ポイントがあったけど、それを差し引いてもライブとしての満足感が高かったです。

 今回のライブでまず個人的に良かったと思うのは、ゲストが必要最低限で、演出も全てがももクロのライブの魅力を、機能的に引き出していたこと。もちろんゲストや演出自体がダメとは思いませんが、最近のライブでは、演出しすぎること、ゲストを呼ぶことで、ももクロの本来得意な部分が失われていると感じることがあったので。いろいろな人と共演することで、ももクロの世界観が広がる、そうやって得意な部分を広げていく意図もあったんだと思います。あるいは大人の事情というものも。でも、国立での2日間では、僕が見たいももクロをこれでもかというほど見られて、何回も泣きました。

 5TH DIMENSIONとGOUNNのツアーは、それぞれコンセプトを持ったライブを作り上げていて、この2つのツアーも素晴らしかったと思っていますが、国立のライブは設定されたコンセプトや世界観ではなく、「ももクロ」のストーリーとキャラクターを描き出していました。「事実は小説よりも奇なり」って言葉を、地で行っちゃってるなと。5人の真っ直ぐで強い気持ちが世界を変えてきたこと、5人の天然記念物と呼べるぐらいの純粋で魅力的なキャラクター、5人が育んできた絆、それだけで何回も泣けるんです。

 もうひとつ良かったのは、生バンド。生バンドを導入するのは基本的には大賛成なんですが、今までのライブではまだ手探り感があるというか、バンドで映える曲をセットリストに取り入れようとするあまり、ライブ全体のバランスがちょっと窮屈そうな印象を受けることがありました。それが国立の2日間では、今までで最も、ももクロのパフォーマンスとかみ合っていたんじゃないかと。今までもバンド演奏でダイナミズムを増していた「怪盗少女」や「労働讃歌」はもちろん良かったし、東響コーラスさんも「猛烈」に厚みを加えていました。ももクロのライブの魅力のひとつは、ロックやジャズに近い一回性の価値があるところだと思うんです。本来、生バンド・生演奏とは相性がいいはずだと思っていたけど、国立ではそれがぴったりハマってました。

 演出の佐々木さん、ももクロが売れるにつれて、有名になるにつれて、ライブの演出内容を批判されることも多くなっていたけど、やっぱりがっちりハマった時のももクロとの相性は最高なんだよな、と思います。国立の2daysで、ももクロの表情がとにかく良くて、こういう顔を引き出せるのは、やっぱり佐々木さんとの関係性が大きいんじゃないかと。

覚えている限りの、9曲目の猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」のあとのMCと自己紹介。
百田「やっぱ野外は、月も見えるし」
玉井「嬉しい事に快晴だからね!」
高城「最初、雨の予定だったんだけど、奇跡が起きましたよ!」
佐々木「めっちゃ嬉しかったんだけど、朝カーテン開けたとき。」
百田「佐々木さんには私たち4人は負けないですよ、いくら雨女だからって。」
佐々木「雨降ったら、全部私のせいにされるの。今日で証明されたじゃん! 晴れ女じゃん!」
高城「違う、だって晴れ女が…」
百田「高城さん、もう時間ないんですよ! 高城さんからお願いします。」
ここから順番に自己紹介。しおりんは自己紹介のあとに「こくりつーーー!」と絶叫。
玉井「盛り上がってんのかーーー!? 声が出せるのかっ!? 今日はあの聖火台に燃える…(笑)」
百田「玉井さん、リハからずっと“わたし、盛り上げるから”って、ずっと言ってたじゃん。玉井さん、今本番だから。焦んないで! リハ通り、リハ通り!」
玉井「声が出せるのかっ!? ありがとうございます! 今日はあの聖火台に燃える炎のように、熱い熱いライブにしましょう! よろしくお願いしまーす!」
 しおりんに続いて、杏果の自己紹介。
「ももクロのちょっぴりおバカな小さな巨人、有安杏果です。19才です!」と言うと、みんなペンライトを緑に切り替え、緑色に染まる国立競技場。本気で感動して、目を潤ませる杏果。
有安「(驚きで少し声を裏返しながら) うそー!?」
百田「高城さん、笑うとこじゃないでしょ!」
高城「感動してんの!」
有安「19才になりましたーーー! みんな自分の好きな色のサイリウム出してください。次、夏菜子!」
 このあと夏菜子の自己紹介が始まると、今度は真っ赤に染まる国立。
百田「全色、持ってんの?」
玉井「そうなると、杏果の今の感動がおかしくなるから!」
有安「今ね、一気に涙が乾いた!」
百田「ほら、緑にして! せーの! 緑っ!」
再び緑に染まる国立競技場。
百田「はい、赤!赤!赤!赤!」
高城「紫!紫!紫!」
佐々木「ピンク!ピンク!」
玉井「黄色!黄色!黄色!」
高城「すごーい! なんで?」
百田「全色になるってこと?」
高城「そうだ! 全色のサイリウム出たんだ!」
佐々木「あーっ、そうだった!」
百田「ダメだよ! 1分前ぐらいの有安さんの全部なくなるから、もう1回みんなで緑にしよ!」
有安「みんな緑のサイリウム持ってきてくれたんだね! ありがとー!」

 17曲目の「Chai Maxx」のあとにも、あーりんが「今日ってなんの日だっけ?」って言って、杏果の誕生日をお祝いするくだりがありましたが、個人的にはここの場面の方が泣けました。会場が緑に染まった時の、杏果のびっくりしているのと感動しているのが入り交じった表情。国立っていう大きな会場なのに、こういう素の部分・表情が見られるシーンが多かったと思います。自分の自己紹介が終わったあとに「好きな色のサイリウム出してください」って言うのも、杏果らしい。

 国立で自分が一番感動した部分てどこだろう、と考えると、あの大きな会場で、等身大の5人が見られたことが、何にも増して感動しました。今回はオープニングや途中のVTRで、過去の映像が多く使われていましたが、ほんとに良い意味で変わっていない部分が多くて。もちろん歌やダンスのクオリティーは格段に上がっているんだけど、路上や屋上でやってた頃から、「目の前の人を笑顔にしたい」っていう思いは全く変わってないっていうのは、本当に奇跡です。


2014年3月9日 私立恵比寿中学@幕張メッセイベントホール


2014年3月9日 (日)
私立恵比寿中学
幕張メッセイベントホール
Luck To The Future PART1

セットリスト
1, 仮契約のシンデレラ
2, もっと走れっ!!
3, 売れたいエモーション!
4, サクラ・ゴーラウンド
5, 梅
6, 使ってポートフォリオ
7, U.B.U.
8, チャイム!
9, えびぞりダイアモンド!!
10, 誘惑したいや
11, 禁断のカルマ
12, 未確認中学生X
13, Lon de Don
14, ザ・ティッシュ~とまらない青春~
15, 頑張ってる途中
16, 手をつなごう
17, 永遠に中学生
18, フレ!フレ!サイリウム
19, 大人はわかってくれない
アンコール
20, R-O-B-O-C-K
21, オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~
22, 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
23, 踊るガリ勉中学生
24, 揚げろ!エビフライ
25, イッショウトモダチ

 エビ中の幕張公演。留学中のなっちゃんと新入生のカホリコを除いた8人体制でのライブは、先日の自習とこの日の幕張のみです。4月15日に武道館公演を控えていることもあり、「転校公演」のようにわかりやすいテーマがなく、位置づけの難しい部分もあったと思いますが、本当に素晴らしいライブでした。エビ中のメンバーは手を抜くようなことはしないと分かっていましたが、まさかここまでいいものを見せてもらえるとは。

 開場から開演までのSEに、Sonic Youth、Dinosaur Jr.、マイブラなんかが使われてて、個人的にはこの時点でけっこうテンション上がりました。この日はライブビューイングも入っていたので、ほぼ定刻に開演。5曲目の「梅」までMCなしで連続のパフォーマンス。ライブが始まるまでは、先日の自習に引き続き、なっちゃんパートは誰が歌うかな、なんて考えていましたが、そんなことを忘れてしまうぐらい圧倒的なライブでした。楽しいのと同時に、とても暖かい気持ちになれるライブ。

 序盤の曲のなっちゃんパートで特に印象的だったのは、1曲目「仮契約のシンデレラ」の冒頭をりななん、5曲目「梅」の冒頭を真山が歌っていたところ。特にりななんは、今まで見たことがないぐらい真剣で凛々しい表情をしていました。りななんは、ライブではたまに音程が不安定になってしまうことがありますが、今日は全体的に音程も安定していて、すごく良かった。

 真山は、いつにも増して気合いが入った表情をしていて、なっちゃんのパートを大切に歌っているのが伝わってきました。みんな、それぞれが自分なりに思いを持ち寄っていて、それがパフォーマンスにもあらわれていて、こっちにも伝わってきて、ああエビ中好きで良かったなと。序盤だけでものすごく満たされた気分になったし、どこがってわけじゃないんだけど、なぜだかすごく感動するライブでした。

 「梅」のあとに自己紹介。みんなが順番にいつもの自己紹介をしたあとに、全員でなっちゃんの自己紹介を。最後の「黙っていれば清純派…」の部分もメンバー全員で言うんだけど、最初はいまいち揃わなくて、ちょっとずつゆっくりになって合わせていくところとか、エビ中の優しさが出てるなと思いました。そこからまた5曲連続でのパフォーマンス。

 10曲目「誘惑したいや」のあとにMC。ここのMCは真山、美怜、裕乃さん、ひなたが担当。この日の会場は千葉県にある幕張メッセなので、千葉県民のひなたに対して、みんながどう?って聞いて盛り上がりました。
真山「幕張メッセ!」
星名「どう! 千葉県民?」
柏木「ちょっと嬉しい!」
真山「千葉県民、今日は近かったのかな? いつもさあ、恵比寿だと最低でも1時間はかかるわけでしょ?」
柏木「今日一番近いよ、私。」
真山・星名「いいなぁー。」
星名「ひなたはさぁ、けっこう幕張メッセにライブ見に行ったりするの?」
柏木「えっと…その、あの方の…」
真山「いいよ、別に伏せなくても! みんなわかってるよ!」
星名「みんな分かりますよね? ひなたといえば。」
柏木「安室奈美恵さんのライブに…6年前かな? 2008年に来て、2階席のあそこらへんで見てた。だから、いつかここでやりたいなぁと思ってたから、すごい嬉しい。」
ここで客席から拍手と歓声。ここから幕張メッセが広い!ステージも高い!という話になり、高所恐怖症の真山とひなたがステージ上の階段を上がった高いところで、裕乃さんのむちゃぶりで、ふなっしーとくまモンのモノマネをやらされました。

 11 曲目から15曲目まで、またまた5曲連続。15曲目「頑張ってる途中」のあとのMC。今度は、瑞季、あやちゃん、ぁぃぁぃ、りななんが担当。あやちゃんが「今日は私が回す!」と宣言して、フリートークがスタート。あやちゃんの仕切りで「安本彩花のどっちかなのコーナー」が始まります。このコーナーは、あるお題にたいして自分はどっち派かを答える、というもの。まず「枕は固い派? やらかい派?」を聞きますが、話はあんまり広がらず、グダグダになっていきました。ここからはいつものエビ中の緩いトークに。

 本編は19曲目の「大人はわかってくれない」で終了。アンコールが起こってしばらくしてから、ステージ上のモニターにかほりこの2人が映し出され、自己紹介と今後の意気込みを。

 アンコールではアリーナ最後方に作られていたサブステージを使い、まず「R-O-B-O-C-K」から。「R-O-B-O-C-K」の間奏部分から、「オーマイゴースト」のバックトラックの一部がサンプリングされて、シームレスに「オーマイゴースト」へと繋がっていきます。オータムデフスターツアーの時にも、こういうアレンジがありましたが、トラックをいつもと変えてくれるのは新鮮だし、エビ中のは単純にかっこいいですね。22曲目「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」まで、サブステージで披露。

 ここでまた会場が暗転し、メインステージ上のモニターには、留学中のなっちゃんからのビデオレターが! 留学先の自分の部屋から、なっちゃんが自分で撮った動画とのことですが、思ったより時間が長く、しっかりとしたメッセージを送ってくれました。この場面では、ペンライトを黄色に切り替えるエビ中ファミリーが多くて、それも良かった。会場全体が暖かい雰囲気になりました。

 なっちゃんのビデオレターが終わると、今度はスタンド席の通路に8人のメンバーが散って、ガリ勉とエビフライの2曲を披露。僕はスタンド席の中段あたり、ちょうど通路の近くの席だったので、個人的にはここで一番テンション上がりました。最後の「イッショウトモダチ」では、メインステージに戻ってのパフォーマンスとなりましたが、途中であやちゃんが顔をおさえて泣き始めて、歌えなくなってしまいました。それをカバーする他のメンバーたち。モニターを見ると、他のメンバーも泣いていて、みんなで支え合っての最後の曲になりました。

 4月には武道館もあるし、幕張公演はもっとあっさり単純に楽しめるライブになると思っていましたが、まさかここまで感動的な素晴らしいライブを見られるとは思いませんでした。演出も最低限でしたし、運営側も転校公演前のお祭り的な位置づけで準備してきたんじゃないかと思うんですが。正直、メンバーのモチベーション的にはどういう感じなのかな、なんて事もちょっと考えてましたが、そんな事を考える事自体が失礼なぐらいメンバーは立派だった。

 単純な目標やテーマなんて設定しなくても、メンバーそれぞれが自分の気持ちを持ち寄って、それぞれの大切な気持ちが集まって、ものすごい多幸感が生まれていて。ああ、こういう感動の仕方、ライブの作り方ってあるんだなと、なにかものすごいものを見てしまったって感覚がありました。

 いろいろと思うところはありますが、とにかくエビ中を好きで良かった!エビ中って素晴らしい!と思えるライブでした。エビ中なら、ひたむきさで世界を変えられると心から思います。